子どもの副鼻腔炎
副鼻腔炎(蓄膿症)とは
鼻の周囲には小さな空間がいくつもあります。これを副鼻腔といいます。副鼻腔は粘膜で覆われており、鼻の中でつながっています。
副鼻腔炎は、ウイルス感染や細菌感染、アレルギーなどの影響で、鼻の粘膜で起こっていた炎症が副鼻腔内の粘膜まで広がってしまった状態です。蓄膿症とも呼ばれています。
副鼻腔は幼稚園児の頃から徐々にはっきりと形成され、4~6歳ごろになると副鼻腔の通路が広がっていくため炎症を起こしやすい状態になります。
風邪に似た症状が出ることから、軽視されやすい副鼻腔炎ですが、適切に治療することが大切です。
副鼻腔炎(蓄膿症)の症状
鼻水・鼻詰まりが主です。そのほか、頭や目の奥、ほっぺた付近に痛みを感じたり、においがわかりづらいといったこともあります。
風邪による鼻水の症状がみられた後に、
- 黄色いや緑色の鼻汁が出ていることが多い
- 鼻づまりで不機嫌になっていることが多い
- 痰が絡んだような咳が続いている
- 寝つきが悪くなった
など、このような場合は副鼻腔炎の可能性があります。
ひどい鼻づまりが続き、寝不足になってしまったり、勉強に集中できないとおっしゃるお子さんも多いです。気になる症状がある場合は受診するようにしましょう。
子どもの中耳炎
中耳炎とは
中耳炎は鼓膜の内側にある「中耳」とよばれる場所が炎症を起こす病気です。風邪をひいたあとに起こりやすい耳の病気で、細菌やウイルスが、のどや鼻の奥と耳をつなぐ耳管という管から耳に侵入してしまうことで炎症を起こします。
乳幼児は耳管が短く免疫力も強くないため、3歳ごろまでは中耳炎をおこしやすいです。特に集団生活(保育所や幼稚園など)が始まってすぐは風邪をこじらせて中耳炎になるケースがおおいので要注意です。
中耳炎の症状
中耳炎を発症すると、発熱、耳の痛みやつまりが起こります。
赤ちゃんだと機嫌が悪くなったり、しきりに耳をさわったりするような仕草を見せることがあります。風邪をひいたときや鼻水が長引いたあとに、耳を頻繁に触るときは注意しましょう。
中耳炎は小児科?耳鼻科?
子どもの中耳炎は、風邪をきっかけに発症することが多いです。そのため、発熱・鼻水など風邪の症状の際に耳鏡で鼓膜もみることで診断をします。
小児科だけで診断、治療が難しい場合は耳鼻科の受診をお勧めします。
副鼻腔炎・中耳炎の治療と予防
鼻水をさらっとさせる治療薬や、副鼻腔の粘膜の炎症を抑える治療薬を使いながら治療を進めることもあります。
「急性中耳炎」であれば、抗生剤を処方します。抗生剤をしっかり飲まないと慢性化してしまうこともありますので、処方された抗生剤はしっかり最後まで飲み切りましょう。
もしも、お薬が飲めないような際はお薬の変更などもできますので、相談してください。急性中耳炎でも抗生剤の内服のみでは治らないようなケースは耳鼻科の先生に紹介させていただきます。
子どもの鼻のかみ方
子どもは鼻をうまくかめないことが多いです。鼻をかむ練習をしてみましょう。
ティッシュを当てて鼻をかませようとすると嫌がったり、かえってすすったりすることが多いですので、まずはティッシュを当てずに鼻水を外に出す練習をしてみましょう。
お勧めはお風呂で、鼻水とばしっこの競争をお父さんやお母さんとすると子供はおもしろがって鼻水を出そうとします。お風呂では鼻の中が潤って鼻水が出やすくなっているので、一石二鳥です。それができるようになったら、ティッシュでかむこともできるようになります。嫌がらないようなら、小さく丸めたティッシュを鼻に入れて飛ばす練習もいいです。
いずれにしてもお子さんの力ではしっかり鼻水がでないこともおおいので、その際は鼻水吸引機(口で吸うタイプや電動タイプ)で吸ってあげると効果的です。お父さんやお母さんが直接口で吸ってあげるのは避けましょう。お子さんのお風邪がうつってしまいます。
さらに鼻水を吸う前に鼻洗い(生理食塩水)をしてから吸引するとさらに鼻水のお掃除になります。
鼻洗いの生理食塩水を作るお粉は処方できますので、ご相談ください。
また、就寝前に鼻水の吸引を行うと、寝ている間に鼻水が喉まで流れ落ちてくるのをやわらげることにつながり、子どもがぐっすり眠りやすくなります。
鼻洗い
生理食塩水を鼻の中にいれ、鼻水を洗い流します。当院では生理食塩水を作るお粉を処方いたしますので、水で溶かして作っていただき、鼻の中に噴霧し、鼻水を吸引していただきます。詳しい使い方は当院でも薬局でもお教えいたします。